ベストマリアージュ
――自分から……?


「さっきも俺が舌入れても、応えなかったもんな?」


「なっ……!」


そうだった、さとしとキス、したんだっけ……しかも……し、舌まで……


真っ赤になって固まっていると、さとしはフッと笑って、私の顔を見る。


「今まで、どんなキスしてたんだよ?」


「知らないわよ!」


確かに、大地とは重ね合わせるだけの優しいキスしかしたことがない。


いつだったか舌を入れられて、拒否してしまってからは無理強いしてはこなかった。


今みたいな激しいキスはしたことがないに等しい。


セックスだって、受け身と言われれば受け身で、大地に身を委ねてるだけだったかもしれない。


大地とのことを思い出しながら、難しい顔で考え込んでいると、さとしがまた話しかけてくる。


「図星みたいだな?

だから、そこもきちんと変わんなきゃ意味ないだろって言ってんだよ

俺なら教えてやれるぜ?」


「で、でも……

それって、さとしと……するって、ことでしょ?」


不安げな顔で、そう聞けば、さとしはなんでもないような顔で答えた。



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