ベストマリアージュ
「まさか、最後まではしねぇよ

お前がされるんじゃなくて、お前がする側なんだからな

自惚れんな、俺だって別に女に不自由してる訳じゃないんだ

わざわざお前とやりたくてこんなこと言ってんじゃねぇよ」


サラッとそう言ってのけると、さとしは私の顔を覗きこむ。


「お前がまた振られないように、協力してやるっつってんだ

ありがたく思え?」


上から目線でそう言うと、ついでのようにまた私に唇を寄せてきた。


それを受け入れたら、こいつの提案まで受け入れたと思われそうで、慌てて後ろに顔を引く。


それを見てニヤッと笑ったさとしは、右手でグッと私の後頭部を引き寄せ、唇を奪った。


「んん……ん」


逃れようとしても執拗に迫ってくるさとしの舌に、また私の口内は侵食されていく。


わけもわからないまま、私はいつの間にかさとしに応えるように舌を動かしていた。


名残惜しそうに離れた唇は、自分のものじゃないみたいで……


体の奥がジンと熱くなるのがわかった。


「うまい、うまい、そんな感じでやってみろ

気持ちいいだろ?」


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