ベストマリアージュ
ふらふらと夜の街を歩く。
大地を置いて、ホテルを出たのはつい先ほどのことだ。
ずっと望んでた夢が叶って、大地と結ばれたはずなのに、私の心は冷えきってる。
確かに彼の体温を感じたはずなのに、あれは幻だったかのような、焦燥感。
久しぶりの再会は、頭で描いていたものとは全然違っていた。
綺麗になったね、とか……やっぱり珠美が好きだよ、とか……
そんな言葉を期待してた自分が笑える。
大地の中ではもう、私とのことは終わったことで、今の奥さんと歩み始めてた。
過去にとらわれてたのは私だけ。