好きだよ?(短編)

困惑

次の授業はまともに裕貴の顔が見れなかった。


そして、私が机に顔を伏せていると、


「夕貴、なんかあった?」

裕貴が心配そうに聞いてきた。



「うっ、ううん。なんでもないよぉ。」



私は少し動揺していたが笑顔で言った。


本当の笑顔ではない偽物の笑顔で・・・



「そっか。ならいいけど。」

裕貴が安心したように言った。


「あっ、あのさぁ涼子が裕貴のこと好きなんだって。」

言ってしまった。友達として最低なことを・・・


「へぇ、そうなんだ」

裕貴は意外とあっさりした返事だった。


「でさぁ、裕貴は涼子のこと好きなの?」

私は恐る恐る聞いてみた。


「う~ん。好きではないかなぁ。」

少し考えてからそう言った。


「じゃぁ嫌いなの?」

嫌いだって言って・・



「う~ん、嫌いでもないかなぁ。」

裕貴は曖昧な返事をした。
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