【完】999本のバラを君に。
あの日から、少しずつ、本当に少しずつだけど……翔太が心の中の鍵をゆっくりと開けてくれてるような気がする。
「真優、バナナと苺、どっちにする?」
「んーバナナ!」
「んじゃ俺苺ー♪」
はしゃぐ翔太の笑顔が、すごい嬉しくて。
あたしも、自然と笑顔になる。
「そーいえばさ、このリングどこのブランドなの?」
「あぁ、俺のイトコんとこの」
「クローバーのペンダントの?」
「まぁ、そこのねーちゃん。クローバーは妹。姉の方は、そこのブランドで働いててさ」
「へぇ……。これ、なんて読むの?」
英語、だよね。
「あ、あもれ……みお?」
“amore mio”
なんて意味だろう……。