【完】999本のバラを君に。
やっと止まった場所は、校舎の一階の下駄箱前。
「ったく、なんでアイツが……」
「しょ、しょうたっ? ど、どうしたの?」
「わり、ちょっと会いたくない知り合いが」
翔太が会いたくない??
「へえーーーーーーー。それって、あたしのこと??」
声がした方を見ると、茶色で胸のあたりまである髪の毛に、すごい綺麗な女の人。
「げっ」
「翔太、あんた人の顔見て、逃げてんじゃないよ」
あれ、この人……この前、ネックレス買った時の……。
「あ、あのときは、ごめんねっ」
「い、いえ……」
翔太の知り合いだったんだ……。
「あたし、翔太のイトコの美沙です! 大学2年生! よろしくね」
「豊崎真優、です」
「やっぱあなたが真優ちゃんか。翔太からよーーーっく聞いてるよ〜」
「余計なこと言うなボケ」
この人が、翔太のイトコさん……?