【完】999本のバラを君に。
「中学の時の翔太は、見てらんなかったよ。
学校もホント行かなくて、卒業もほとんで翔太のお父さんの力だしね。
友達なんていなかったから、“大切な人”って言葉、翔太の口から聞いたことなかったんだ。
そんな翔太が高校に行ってから笑顔が増えて、ほんとにビックリした。
今日きた理由、翔太の様子見に来たのもあるけど、
ほんとは、真優ちゃんに会ってみたかったの」
「あたしに、ですか……?」
「うん。翔太を変えたのは、間違いなく真優ちゃんだよ。翔太の家はみんな翔太を嫌ってるけど、あたしとお姉ちゃんは翔太の見方だから。
真優ちゃん、翔太の見方になってくれてありがとう。
翔太に笑顔をくれて、ありがとうっ」
その時の美沙さんの笑顔はすごく綺麗で。
ねぇ、翔太……。
あたしね、翔太に救われたんだよ??
ずっと寂しかったのが、翔太と一緒にいるようになって寂しさが消えてったんだ。
翔太……
翔太も、あたしに救われたって思っていいの??