【完】999本のバラを君に。
「そうだ。ねぇ、そのリングに刻んであるブランド名の意味、知ってる?」
「いえ……。翔太、教えてくれなくて」
「あははっ。だろうねっ! 超クサいし、超恥ずかしいもん。あのね」
美沙さんは、あたしの耳元で、優しい声で教えてくれた。
「翔太、ほんとに真優ちゃんが好きなんだね」
美沙さんの言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出した。
翔太……。
翔太の、愛が体中に広がっていく気がした。
この小さなリング込められた、翔太の大きな愛。
“amore mio”
“私の愛する人”