【完】999本のバラを君に。
つかの間の幸せ
「じゃあ、あたしそろそろ帰るね」
「え、最後までいないんですか?」
「うん、翔太が楽しくやってるってわかったし! ……翔太を、よろしくね真優ちゃん」
「……はいっ」
「ありがと! 翔太によろしく言っといてね」
そう言って、美沙さんは帰ってしまった。
それと同時にあたしのケータイが鳴った。
『真優? 俺終わったけど、今どこ?』
「えっと、外のベンチ」
『じゃあ、下駄箱のとこで待ち合わせな』
「うん」
あたしは立ち上がって、下駄箱の方へと歩く。
下駄箱まで行けば、翔太はもうついていて、あたしを見つけるとニッと笑って大きく手を振っている。
そんな翔太の元へと、あたしは走った。