【完】999本のバラを君に。





「相原悠太です。よろしくお願いします」

相原……?

翔太と同じ名字……偶然、だよね。

だけど、ニコリと笑った笑顔は、どこか、翔太と重なった。

「相原、お前の席はあそこだ」

「はい」

偶然、だよね……。

「よろしくね。えっと……」

「あ、豊崎真優です」

あたしが自己紹介すると、相原君は目をまん丸にして。

そして、すぐに目を細くして。

「へぇ、君が……」

「?」

「これから、よろしくね豊崎さん」

この笑顔が……何度も翔太と重なって。

どうか、偶然じゃないことを願った。






< 114 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop