【完】999本のバラを君に。
「相原悠太です。よろしくお願いします」
相原……?
翔太と同じ名字……偶然、だよね。
だけど、ニコリと笑った笑顔は、どこか、翔太と重なった。
「相原、お前の席はあそこだ」
「はい」
偶然、だよね……。
「よろしくね。えっと……」
「あ、豊崎真優です」
あたしが自己紹介すると、相原君は目をまん丸にして。
そして、すぐに目を細くして。
「へぇ、君が……」
「?」
「これから、よろしくね豊崎さん」
この笑顔が……何度も翔太と重なって。
どうか、偶然じゃないことを願った。