【完】999本のバラを君に。






6時間目は、LHRで体育祭実行委員を決めることに。

でも、体育祭実行委員は、力仕事ばかりで、放課後も潰れてしまうことが多いので、自分から進んでやる人はいない。

だから、さっきから誰も何も言わないこの状況。

そんな中、あたしの隣の席から明るい声が聞こえてきた。

「俺やりまーす」

え、悠太くん……?!

「あと、豊崎さんもやってくれるそうでーす」

……はいっ?!?!

「ちょっ、ちがいま」

「じゃあ、2人ともお願いします」

学級委員の人は早く終わらせたいのか、あたしの言葉を遮って言った。

「ひ、酷いよ、悠太君……」

「いーじゃん。一緒に頑張ろーぜ?」

ニコッと笑った悠太君の笑顔は、やっぱり翔太とそっくりで。

でも、翔太の笑顔とは違って、少し悪戯っぽくて、子供みたいな笑顔だった。








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