【完】999本のバラを君に。
涙のキス
「はぁ……」
体育祭一週間前。
あたしは、教室で他の実行委員の子達とその日に必要な得点板などを作っている。
「ねぇ、豊崎さん。相原悠太くんは?」
「あー……えっと……探してきます」
「あはは、よろしく!」
小さくため息をついて、教室を出る。
実行委員は、大変だけど先輩も優しくて、良い人たちばかりで楽しい。
でも、困ったことは、1つ。
悠太君はサボってばっかりで、こうやって探しにいくのがあたしの役割となっている。