【完】999本のバラを君に。
お昼休みになれば、あたしは1人で桜の木へと向かう。
自然と、ここに足が運んでしまうんだ。
翔太が来るんじゃないか……なんて、淡い期待をもって。
『真優』
そう、いつもの温かくて優しい声で、あたしの名前を呼んでくれるんじゃないかって。
ここにくると、翔太と過ごした日々が頭の中に流れ込んでくる。
『座れよ』
『真優に出会えてよかった』
『俺と幸せになる気ない?』
『……永遠があればいいのにな』
隣に君がいないことが、こんなにも寂しくてしかたがない。