【完】999本のバラを君に。
下駄箱に行き、あたしは翔太の下駄箱の前に立つ。
開けると、中には上履き。
もう、帰ったんだ……。
「……ごめん」
翔太、ごめんね。
あたしは、翔太からもらったリングのついているネックレスをそっと、下駄箱の中に入れた。
明日見たら、ビックリするかな。
なんんて、考えて。
あたしの瞳から涙が溢れ出す。
どこの場所に行っても、翔太との思い出が頭を過ってしまう。
ねぇ、翔太……知らなかった。
翔太が隣にいる日々が、こんなにも当たり前になっていて、
こんなにも、幸せだったんだなんて。