【完】999本のバラを君に。
気が進まないまま、職員室にプリントを置いて、教室へと戻る。
教室のドアを開けると、相原が、窓側の一番後ろの机に座りながらイヤホンをつけていた。
「お。お疲れさん」
「帰んないの?」
「ん? いや、豊崎が雑用させられてるの見えたからさ。待っててあげようと思って」
「その前に手伝ってよ」
「ははっ、わりぃわりぃっ」
……ほんと、ムカつくぐらいコイツの笑顔はカッコイイ。
「聞く?」
「聞く」
そう言って、相原の元に歩み寄り、同じ机に座って左耳にイヤホンをつける。
「なぁ、豊崎は彼氏とかいねーの?」
「いたらさっさと帰ってるって」
「確かにっ」
「そーいう相原は?」
「いたら、豊崎を待ってねーよ」
「だよね〜っ」
なんて笑い合いながら、音楽を聞く。