【完】999本のバラを君に。
あたしは、ハードルを数個運ぼうとすると、その拍子に高跳び用の棒に当たってしまった。
そして、あたしの方へと数本の棒が倒れ込んでくる。
やば……っ。
あたしは、思わずギュッと目を瞑った。
すると、急に腕を引かれ、あたしの体は床へと倒れる。
「いた……」
ゆっくり目をひらくと、あたしの上に翔太がかぶさっている状態。
え……?
もしかして、
庇って、くれたの??
「怪我、ねぇ?」
「あ、うん……」
「ったく、バカヤロー。物だすときぐらい気をつけろ」
「ご、ごめん……」
「……ほんとに怪我ねぇの?」
「うん……」
「よかった」
翔太はポンとあたしの頭を優しく撫で、「よっこらしょ」と立ち上がった。