【完】999本のバラを君に。
「んじゃ、気をつけてもってこいよ」
「あ……」
あたしは、思わず翔太の手首を掴んだ。
「どうした?」
「腕……擦れてる……」
肘の下ら辺が、擦れて血が出てる。
「あぁ……。こんぐらい平気だろ」
「これ、つけて」
あたしはポケットから、絆創膏を一枚差し出した。
「えと、柄付き……だけど」
ピンク色にウサギの絆創膏……。
恥ずかしい、よね……。
しまおうとした手から、翔太はスッと絆創膏を取った。
「ふ、サンキュ」
そう優しく笑って、翔太はハードルを持って倉庫から出た。
翔太の言動に、思わず顔が赤くなってしまう。
けど……それ以上に、翔太の言動が、
“友達”に対しての態度に、感じてしまったんだ。