【完】999本のバラを君に。
あたしもハードルをもって体育倉庫を出ると、倉庫に悠太君が寄りかかっていた。
「悠太君……」
「手伝いにきたら、良いもん見せてもらっちゃった」
「……もう、友達以下なのかも」
「……兄貴、俺に親父のとこ行くって言ってきたよ」
「うん」
「……俺が『手だしてもいい?』って聞いたら『手ぇだしたらぶっ飛ばす』だってさ」
「え……?」
それは……どういう意味?
「まぁ、期待はしない方がいいと思うけど。それとも、俺の女になって兄貴のこと忘れる?」
「ううん、あたしは、翔太しか好きになれないから」
きっと、この先……想われなくても、あたしは翔太にしか恋はしない。
翔太以上に、誰かを想えないから。