【完】999本のバラを君に。
「豊崎の彼氏は大変そーだな」
「はぁ?」
「いや、なんか忙しそうというか」
「なにそれっ。相原の彼女は……楽しいだろうね」
「そう思う?」
「うん。相原って、好きな子を超大事にしそうだから、彼女はきっと幸せそうだろうねっ」
そう笑って言うと、相原はイヤホンを外して、真っすぐにあたしの方を向いた。
「相原?」
「じゃあ、豊崎、なってみる?」
「え?」
「俺のカノジョになってみる?」
「……うん」
“言葉のあや”
きっと、彼もあたしも、それだけだった。