【完】999本のバラを君に。
翔太が転校すると聞いて、泣いている女の子がいることを知った。
たぶん、あたしがつき合っていても、好きだった子はいたんだろう。
あの笑顔に、あの優しさ。
惚れない女の子がいないわけがない。
「ねぇ、豊崎さん。ちょっといい?」
そして、同時に、翔太の隠れファンの人に“呼び出し”というやつをされるようになった。
呼び出しされる場所は、校舎裏。
「ねぇ、あんたの所為なんでしょ。翔太君の転校の理由」
話題は、いつもこれ。
翔太の転校は、あたしの所為だということになっているらしい。
まぁ、いきなり別れたんだから、そう言われてもしょうがないかもしれない。