【完】999本のバラを君に。
「なんで言い返さねぇの? 真優ちゃんの所為じゃないでしょ、兄貴の転校」
「うん」
「言い返せばいいじゃん」
「ううん。あたしの所為じゃないかもしれない。でも、あたしの所為なんだよ……。悠太君が翔太を転校させた。それは……あたしのため、でしょ?」
「……自意識過剰じゃない?」
「そうだねっ」
「しっかし、もったいないことしたなー」
「え?」
「さっきの子達、可愛かったからさ。あれで俺が真優ちゃんを庇ったってことになったら、相手してくれなくなっちゃうかもじゃん。みんな、いい体だったのに」
ゆ、悠太君……。
悠太君の言葉に、苦笑いするあたし。
「ま、性格ブスってのは、気に食わないけどね」
そう笑った悠太君は、少し翔太と似ていた。
やっぱり、兄弟だね。
助けにきてくれるところも……。