【完】999本のバラを君に。
2学期が終わる今日。
……翔太が、この学校を出る日。
集会も終わって、あとは各自で解散するだけだ。
「1組のみんな、翔太君がいつどうやって行くか、なんも聞いてないんだって。ってか、教えてくれないらしい」
「……そっか」
それは、たぶん……あたしに知らせないため。
「ねぇ、今からでも間に合うよ! 行きなよ、真優。翔太君を追いかけなよ」
翔太は、もう……学校を出てる。
「……だめ、だよ。行ったら、翔太が困る」
そのくらい、わかる。
梨華は、あたしの手をぎゅうっと握った。
「……困らせなよ。真優が我慢することじゃないよ……っ」
「り、か……?」
「2人が、なんでこうなっちゃたかは知らないけど、翔太君は絶対、こんなこと望んでたわけじゃない……っ!!」
目に涙を溜めて話す梨華。
あたしは、目を丸くすることしかできなくて。