【完】999本のバラを君に。
もう一度
翔太の家に向かう、最後の曲がり角を曲がる。
すると、黒い車が一台翔太の家の前に止まっていた。
そして、家の玄関が開いて、翔太が出てきた。
「……っ。
翔太ぁ……っ」
あたしの、今でる精一杯の声で、翔太の名前を呼ぶ。
翔太は振り返って、そして目をまん丸にした。
「おま……なんで……」
翔太の目の前で、ゆっくり息を整える。
もう……しばらく会えなくなるのかな。
こうやって、翔太と目を合わせられなくなるの?
……それなら、今、全部伝えたい。
「……好きっ」
自分の、ホントの気持ち。