【完】999本のバラを君に。
「何年後かわからないけど……、また、会えるよね……?」
「……うん。会いにいく。絶対、もう一度、会いにいくから」
ねぇ、翔太。
聞かせて、答えて。
……翔太に聞きたかったこと。
「翔太……
少しでも、幸せだった……?」
今まで、ずっと寂しい思いしかしなかった翔太。
少しでも、ほんの少しでも……
幸せを感じてくれた??
『……幸せって、なんだと思う?』
そう聞いてきた翔太に、あの時のあたしは答えられなかったけど、今なら答えられるよ。
翔太と一緒にいる時間、って。
「うん。真優といる時間が一番の幸せだった」
翔太の言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。
あたしは、精一杯の力で、ゆっくり右手の小指を差し出す。
「……約束、して」