【完】999本のバラを君に。
「真優、俺はもう、充分真優からもらった。だから、今度は……真優が俺がいなくても感じて欲しい。
そんで、もう一度会ったとき、
俺の隣でもう一度感じて」
そう言って翔太は、あたしの手のひらに何かをギュッと置いて、黒い車に乗って行ってしまった。
あたしは、ゆっくりと手のひらを見る。
そして、あたしの瞳から涙が溢れ出した。
あたしの手のひらに置いてある、四葉のクローバーのしおりに涙が落ちていく。
『クローバーの花言葉を、知ってる?』
……『幸せな愛』