【完】999本のバラを君に。
「なぁ、放課後空いてる?」
「まぁ……」
「んじゃ、映画見に行こうぜ! 映画!」
「ん、いいよ」
「やった!」
この関係に恋愛感情はない。
けど、この笑顔は、好きだなって思うんだ。
放課後になれば、翔太はすぐにあたしのところへきた。
「まーひろー、早くー」
「ちょっ、早すぎだからっ」
急いで支度をして、翔太の横を歩く。
ついて行けば、着いたのは駐輪場。
「あれ? 翔太ってチャリだっけ?」
電車だって、前言ってたような。
「今日だけ、な」
そう言いながら、自転車に鍵をさして、自転車を取り出す。