【完】999本のバラを君に。
放課後になり、あたしは帰りの支度をする。
「ねぇ、真優ちゃん」
名前を呼ばれ、振り返ると染谷さんが立っていた。
「ちょっとだけ、お話をしたいんだけど」
「あ、う、うん……」
「じゃあ、屋上でいい?」
「うん」
あたしはそう返事をして、染谷さんと一緒に屋上へと向かう。
話って、なんだろう……。
この前、染谷さんはあたしの事を誰かから聞いたみたいだった。
そんで、染谷さんと悠太君は何かを知ってるようで。
それは……たぶんあたしの知らない事で。
悠太君が、
あたしに知って欲しくないこと。