【完】999本のバラを君に。
「理由は簡単。悠太君と同じ、真優ちゃんに会うため」
「あた、しに……?」
「そ。
翔太が本気で惚れた女の子に、会ってみたかったの」
え……?
今、なんて……?
「なんで翔太を知ってるの、って顔してるね。案外大変だったんだよ? 翔太、真優ちゃんのこと全然教えてくれないし。調べて、やっと学校がわかったの」
何を、言ってるんだろう。
なんで、麗華ちゃんが翔太を知ってるの??
「翔太とあたしの関係、気になるよね。あたしは優しいから、悠太君みたいに同情で隠し事なんてしない」
麗華ちゃんがそう言うと、屋上のドアが勢いよく開いた。
そして、誰かがあたしの元へと駆け寄ってくる。
「あたしはね、
翔太の婚約者」
そう麗華ちゃんが言った瞬間、あたしの両耳に誰かの手が置かれて。
「聞くな……っ」
そう言う、悠太君がいた。