【完】999本のバラを君に。
「麗華って、彼氏と仲良いよねー。聞くだけだけど」
梨華の言葉に、胸がドクンと鳴った。
「えへへ、彼ね、すっごく優しいんだぁ……」
やめて、言わないで。
「キスも、優しいし、抱きしめてくれる時も温かいし……」
お願い……それ以上、言わないでよ。
「それに……初めての時も、すっごい優しかったし」
麗華ちゃんがそう言った瞬間、あたしは後ろから引っ張られ、無理矢理立たされた。
「コイツ、借りる」
「悠太、くん……」
悠太君は、グイッとあたしの手首を引っ張り、屋上まで歩かされた。
「悠太君、どうしたの? いきなり……」
「……」
「……なんで」
「……」
わかってる。
悠太君が、無理矢理ここに連れてきた理由。
「……ど、して……っ」
「泣くの我慢すんなよ」
悠太君の言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。