【完】999本のバラを君に。




放課後、帰りの支度をしていると「真優ー帰ろー」と、梨華があたしの所に寄ってきた。

「え、須田君は……?」

いつも一緒に帰ってるじゃん……。

「んー今日は、真優と帰りたくてっ! 久々に、一緒に帰ろーよ」

「……うん!」

わかってるよ、梨華。

心配、してくれてるんだよね。

そんで……聞きたい事が、あるんだよね。

帰り道、梨華は「んー」と少し考えたようにあたしに問いかけた。

「真優はさ、ぶっちゃけ悠太君のことどう思ってるの?」

「……好き、だよ」

あたしに酷い事をしても……その裏には優しさがあって。

すこし意地悪だけど、悪戯っぽく笑う笑顔は子供っぽくって。

「それは、恋愛感情?」

「……ねぇ、梨華。梨華への“好き”と翔太への“好き”の違いってなにかな。恋愛感情が入ってるかって、それだけ? あたしさ、悠太君にすごい感謝してる。毎日笑わせてくれて、寂しさを少しでも埋めようとしてくれてる悠太君に感謝してる。

だから、悠太君のことは嫌いじゃないよ? むしろ、好きって答えれる。けど、それは梨華へと同じ好きなのか、翔太へとの好きなのか、わからなくて」


「……そっか」




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