【完】999本のバラを君に。
梨華は、「じゃあさ」と言って、あたしの方を真っすぐみた。
「この先、大人になって、ずっとずっと一緒にいたいって思うのは、誰?」
梨華の言葉に、あたしは思わず足を止めた。
「……今、真優の頭に浮かんだのは、誰?
……きっと、それが答えだよ」
「……っ」
“ずっとずっと一緒にいたいって思う人”
……浮かんだのは、ただ1人で。
『俺と幸せになる気、ない?』
『うん、翔太と幸せになりたい』
ずっと、ずっと一緒に笑っていきたい。
寂しさを、2人で少しずつなくしていって、そして、2人で幸せになろうって。
2人で幸せになろうって……ね、翔太。
恋をして、こんな風に思ったのは初めてで。
悠太君……やっぱりね、会いたいよ。
翔太がもうあたしのこと好きじゃなくても、他の人を想っていても。
もう一度、あの笑顔を見たいんだ。