【完】999本のバラを君に。
25日、あたしは待ち合わせの場所へと向かう。
待ち合わせ場所には、悠太君はもう着いていて。
「ご、ごめんねっ」
「いいって。それより、手貸して」
「うん?」
あたしは言われた通り手を差し出すと、悠太君はギュッとあたしの手を包んだ。
「冷たいじゃん。俺の手袋貸すよ」
「え、い、いいよっ!!」
「いーから」
「……ありがと」
やっぱり、今日も悠太君は優しい。
……でも、ちゃんと言わないといけないんだ。
あたしが好きなのは……翔太だからって。