【完】999本のバラを君に。
再会
新学期が始まり、あたしは駅で悠太君を待っている。
「真優ちゃん、お待たせ」
「おはよ!」
悠太君とは、毎日一緒に登校している日々。
「今度遊園地にでも行かない?」
「うん、いきたいっ!」
いつもすごくすごく優しくて、あたしの手を握る手がとっても温かい。
「そーいえば、三年になるんだし、進路とか決めた?」
「うーん……なんか、全然方向性とか決まんなくてっ。悠太君は? やっぱり、家を継ぐの?」
「まぁ、そうなるかな」
「大変そう……」
「そーでもないけどね。
……真優ちゃんが隣でサポートしてくれれば、の話だけど。もちろん、俺専属で」
べっと舌をだして、悪戯っぽく笑う悠太君に、顔がカァァァッと熱くなる。
「バカっ」
毎日こうやって、あたしを笑わせてくれる。