【完】999本のバラを君に。





「少し前にはもう症状はでてたって翔太言ってて。んで、昨日行ったら確定したって。



もう、手遅れだって」



少し涙声で話す美沙さん。

あたしは、まだ頭が回らなくて。

……認めたくなくて。


「真優ちゃん、翔太の隣にいてあげて……っ?」

「……っ」

「悠太には申し訳ないけど、翔太の幸せの源はやっぱり真優ちゃんだと思うの」

「……悠太君と話す時間をください」

「……うん、ごめんね。これ、今翔太が入院してるとこ」

美沙さんはそう言って、テーブルに一枚のメモを置いてカフェを出て行った。

あたしも、メモを鞄の中に入れ、電車に乗る。






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