【完】999本のバラを君に。
「真優ちゃんねー、どんだけ欲張りなんだい?」
翔太はそう言いながら、モナカの袋を開け、モナカを半分に割った。
「ほい」
「……ありがと」
「不満そうな顔するんじゃなーいっ」
いや、だってさ……普通全部って思うじゃない??
「節約、節約♪」
「……おいし」
翔太は半分のモナカをあっという間に食べてしまい、「便所ー」と言って、コンビニに入った。
その後、あたしもすぐに食べ終わり、ちょうど翔太が戻ってきた。
「真優はトイレ平気?」
「ん、へーき」
「んじゃ、いきますか」
自転車に乗り直して、映画館に向かって動き始める。
ずっと思ってたけど、乗っている間の風が随分と気持ちいい。
翔太が風よけになってくれてるから、風は直接当たらずそよ風が当たる感じ。
それが、すごく心地いい。