【完】999本のバラを君に。
「俺は真優ちゃんから、もう充分幸せをもらった。
学校が楽しくなったのも、笑ってられるのも、全部真優ちゃんのおかげだよ。
……ありがとう」
違う、違うよ悠太君。
それは、全部あたしの台詞だよ。
翔太と別れて、寂しさと不安で作り笑いしかできなくて。
そんなあたしの側にいてくれたのは、悠太君なんだよ。
いつも笑わせようとしてくれて、
時々意地悪ばっかりで、
でも、他の誰より優しくて。
悠太君の温かい優しさが、氷のように冷えたあたしの心をゆっくり溶かしてくれたんだ。