【完】999本のバラを君に。
「真優ちゃん、言ったろ? 真優ちゃんの涙は見たくないって」
「……うん」
「だから、今ぐらい笑ってよ」
「……ありがとうっ!」
悠太君、ありがとう。
きっと、何度言っても足りない。
そのくらい、悠太君には感謝してもしきれないんだよ。
「……行きな」
「うん」
あたしは悠太君の手をそっと離し、駅まで走った。
翔太の病院、ここからそう遠くはない。
三つ先の駅。
駅に行くまで、頭の中は悠太君のことでいっぱいだった。
今まで、あたしに笑顔をくれた悠太君。
悠太君ありがとう……。
少ない時間だけど、
たくさんの幸せと、たくさんの愛情をあたしに与えてくれて。
……ありがとう。