【完】999本のバラを君に。
ーーーside悠太
「……ありがとうっ!」
そう涙を目に溜めて、笑って言った真優ちゃん。
走って行く小さな背中が愛しくて。
その言葉は、俺の言葉だよ。
今まで、女なんて抱くことしかしなかった。
それ以上の感情を知らなくて。
そんな俺の心に入ってきたのは、無垢な真っすぐな女の子。
『悠太君』
そう微笑む彼女は、他の女と違っていて。
兄貴……今なら、どうして兄貴があの子に惚れたのか嫌なくらいわかるよ。