【完】999本のバラを君に。
初めて会ったとき、隣の席で。
名前を聞いて、兄貴の彼女だってことはすぐにわかった。
別に、見た目は普通。
特別可愛いわけでもなく、美人なわけでもない。
今まで俺が抱いてきた女の方がずっと綺麗だと思った。
だから、どうして兄貴がこの子にこだわる理由がわからなくて。
親父に頼まれた手前、俺は彼女と体育祭実行委員をやることに。
毎日のようにサボる俺に、彼女はほとんど呆れ顔。
でも、俺が放課後毎日女と絡んでるところを見て、顔をまっ赤にするその表情は新鮮で。
正直、可愛いと思った。
だから、段々と少しずつ惹かれていったんだと思う。
兄貴の彼女だってことはわかっていたけど、この想いは止められなくて。
兄貴が親父のところに行った後、どうしようもなく守りたい、なんて気持ちも生まれて。