【完】999本のバラを君に。
「な、んで……お前」
「美沙さんから聞いたよ。全部聞いたよ」
そう言って近づくあたしの手首をグッと引っ張り、顔の距離をグッと縮めた。
「で、俺に抱かれにきた?」
……バカだね、翔太。
それが演技くらい、わかるよ。
翔太、今の格好わかってんの?
「ぷっ」
「あ?」
「バカじゃんっ」
「お前ね……」
「……大好き。ずっとずっと、この気持ちだけは変わらないよ」
そう言って、あたしは自分から唇を重ねた。
この気持ちだけは、絶対に変わらない。
もう、絶対に。