【完】999本のバラを君に。
『もう一度会ったとき、俺の隣でもう一度感じて』
あの日……翔太は、そう言ったよね。
今、こうして感じてるよ。
幸せな愛を。
唇が離れれば、コツンと額を合わせる。
「親父、ビックリするだろうな」
「麗華ちゃんは……」
「ちゃんと話すよ。……真優、落ち着いて聞いて」
「うん」
「……俺の余命、あと四ヶ月だって」
翔太の言葉に、目頭が熱くなる。
あたしの手を握る翔太の手が、少し震えているのがわかる。
「ずっと、側にいるよ……。ずっと」
「うん……」
翔太の声は震えていて、あたしは涙を流すことしかできなかった。
「真優、愛してる」
そう、何度も……翔太は囁いてくれた。