【完】999本のバラを君に。
昼休み、悠太君と屋上で食べる日々も変わらない。
「んで、兄貴は元気?」
「んー元気、かな」
あたしと話してる時は笑っているけど、胃がんって腹痛とか激しいって聞くし……。
「ま、兄貴のことだから心配かけないようにしてんだろーね」
「はは、さすが」
よくわかっていらっしゃる。
「悠太君はお見舞いいかないの?」
「行ったら兄貴に殴られるだけだよ。痛いのはご免だね」
「翔太は会いたがってたよ?」
「どうせ、一発殴っとかないと気が済まない、とかが理由だろ?」
「お見事」
「……ま、一回くらい行く予定だけどね」
素直じゃないところも、そっくりだよね。
「じゃあさ、今日一緒に行かない?」
「……いーけど」
少し耳が赤い悠太君を見て、あたしはクスクスと笑った。