【完】999本のバラを君に。
「俺は……きっともう、ダメだ」
「何、言って……」
「きっと、2ヶ月ももたない」
「翔太!! お願い、それ以上言わないで……っ」
「……真優、自分の体ぐらい、自分が一番わかんだよ」
翔太の声は、涙声で、思わずバッと顔を上げた。
あたしの瞳に映る翔太は、目に涙を溜めていて。
「正直、怖いんだ。いつか真優を守れなくなる自分になるのも、真優の隣にいられなくなるのも」
「……っ」
「本当はさ、残りの時間無理矢理でも真優を連れ出して、いろんな所に行きたい。
例えばさ、学校。一回だけでもいいから、真優とお昼たべたいし、一緒にサボりたい。
あとは、遊園地。まだ、一回も行ってないだろ? 海も映画も、行ってないところに行きたい。
水族館ももう一度行きてーな。
……なんて、バカみたいに考えたりする自分が情けなかったり」
翔太の言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。
神様……彼は、まだ17歳です。
そんな彼の、こんな小さな願いを、どうして、叶えてくれないんですか……?