【完】999本のバラを君に。
「もしも生まれ変われるのなら、俺はもう一度真優に会いたい」
「え……?」
「もう一度、真優の隣にいたい」
「……うん、あたしも」
神様、もし、本当にいるのなら、聞いてください。
叶えて、なんて我が侭は言わないから。
もしも生まれ変われるのなら、巡り会わせてください。
彼と、あたしを……もう一度。
「俺、運命ってやつを信じたい。このわずかな命が、どこまでもってくれるかはわかんねーけど……。
あと一年もつ、なんて奇跡、信じてみてもいいか?」
「うん……あたしも、信じてる」
このことを他の人にいったら、「無謀だ」「無理に決まってる」なんて言われるんだろう。
それでも、そんな奇跡を願わずにはいられなかった。
あたしの手を握る翔太の手が、日に日に冷たくなっていたから。