【完】999本のバラを君に。
翌日、翔太の病室に行くと、少し中がざわついていた。
ゆっくり扉を開けると、数名の看護師さんが翔太の背中をゆっくり摩っている。
翔太は苦しそうに、咳を繰り返していて、何度も目の前の洗面器に吐いていた。
「……っ」
「あ……もしかして、真優ちゃん?」
「は、はい……」
「ごめんね……今は、外にいてくれる?」
「……はい」
病室を出て、あたしは側のベンチに座る。
……今まで、何度あんな風になったのかな。
あたしの前では、笑ってるけど、どこか時々苦しそうにしてるのには気づいていた。
40分後ぐらいに、看護師さんが中から出てきた。
「もう、大丈夫よ」
あたしは一礼をして、病室に入る。
「おっす、真優。悪いな、変なとこ見せちまって」
「……っ」
苦しいのに、こんな風にあたしを心配させないように笑ってくれてる。
バカ翔太……もっと、心配だよ。