【完】999本のバラを君に。
「ねぇ、翔太、あたしが生まれ変わりたいもの、当ててみて」
「え? うーん……鳥、とか? 真優なんか飛びたそうだし」
「なにそれー。もっとちゃんと考えてよ」
「じゃあ、女の子、とか?」
「なんで……そう思うの?」
「だって、女の子じゃないと俺と結婚できないだろ?」
……バカ翔太。
なんで、そんな簡単に当てちゃうの……?
理由まで当てて。
「なぁ、あたり? あたりだろ?」
「残念でしたー。正解はお医者さん」
「はぁ?」
「お医者さんになって、翔太の病気を治すの」
「……」
「どんな無理な病気でも、絶対に治すお医者さん」
「……マヒロジャック?」
「うん」
「はは、期待しとく!」
この笑顔を見れるのは、あと何回なんだろう。
頭の片隅で、そんな疑問が過った。