【完】999本のバラを君に。
涙の誓い
いつも通り、あたしは放課後病院へと足を運ぶ。
翔太の部屋の前に立つと「真優ちゃん」と呼び止められた。
声がした方を見ると、見ささんが悲しげに立っていた。
「あのね、さっきお医者さんから言われたの」
何となく、予感はしていた。
この前、見た苦しそうな翔太を見てから。
あたしが来る度に、その姿を頻繁に見るようになったから。
「……もう、長くないって」
きっと、翔太も……もう、わかってる。
「美沙さん、あたしは信じてます」
「100分の一でも、1億分の一の確率でも。
……翔太の未来を、あたしは信じてます」
あたしはそう言って、翔太の病室に足を踏み入れた。
「おっす、真優」
この笑顔が、一秒でも長く見られることを……あたしは、信じてる。