【完】999本のバラを君に。
翔太って、ほんと不思議な奴。
子供っぽいのか、男らしいのか、わかんないよ。
でも……嫌いじゃないって思った。
ううん、むしろ……かっこいいなって、素直に思ったんだ。
「そろそろ時間だな」
「そうだね」
その後、2人で席に座り、しばらくして映画が始まった。
……あ。
手を置いている場所で、翔太との手が触れ合う。
こういう時、恋人なら握り合うんだよね……。
でも、あたしたちはまだお試しだ。
あたしと翔太は、手を繋がないまま、映画を観た。