【完】999本のバラを君に。
「あれ? 何呼んでるの?」
「ん? 子供の名前。いつか、真優が生んだ子供になんてつけよーかなーと」
「……ぷっ」
「んだよー」
「ううんっ! いいの、あった?」
「候補はー『桜』かな」
「どうして?」
「だって、俺と真優が出会った場所だろ?」
あ……。
始めて翔太と会話した場所……。
「お前の両親が大事な存在のように、俺と真優にとっても大事な場所だろ?」
「……うん」
ねぇ、翔太……翔太も、信じてるんだね。
ううん……信じたい。
無謀な願いを、2人で……信じたい。