【完】999本のバラを君に。
いつもの、放課後。
あたしはいつも通り椅子に座っている。
「……永遠が、あればいいのにな」
「……うん」
前も……そう言ってたよね。
「永遠なんて、信じたことはない。前も、今も。
それでも、そんなあやふやな存在に縋ろうとしている自分がいる」
「……」
あたしの体を、強くギュッと抱きしめる翔太。
翔太の不安が、伝わってくる。
「自分の心臓の鼓動を聞くのが、怖い。いつ聞こえなくなるのか、そう考えちまう自分がいる」
あたしの耳に届く、翔太の心臓の音。
その音が聞こえることに、あたしは安心する。
「……あたしは、安心するよ。今、ここに翔太がいること、翔太の心臓が動いている今この瞬間が、あたしは嬉しい」
あたしがそう言うと、翔太はさらに強く抱きしめた。